今回はマーケティングの中でも、コンテンツマーケティングについてお話します。現在、開業医として大宮エヴァグリーンクリニック、東京泌尿器科クリニック上野を経営しています。
承継後、とある業者さんからコンテンツマーケティングの大切さを教えて貰ったことで、力を入れるようになり、分院展開が実現できたといっても過言ではありません。以前は、「医療法人大宮エヴァグリーンクリニック」と名前を入力しホームページ(以下、HP)を検索しても、上位に表示されない状態でした。その後、コピーコンテンツについて指導を受け、自分でも勉強し取り組みました。
クリニック経営において、このコンテンツマーケティングにとても助けられたと同時に、大切さとその威力というものを実感しているので、ここでお伝えできればと考えています。
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとは、患者さんが知りたい情報を発信することで、集患に繋げるマーケティング手法の一つです。ある題材に関して、その内容や関連情報等を書きます。
例えば、東京泌尿器科クリニック上野では、前立腺癌など、患者さんが必要とする情報をわかりやすく伝えるページを作成しています。下記でもご紹介しますが、コンテンツマーケティングで重要なことは「HPを訪問した人が、ページを見る」というよりも、「キーワードを検索して、その情報を知りたい人に訪問してもらう」という意味合いが非常に強いです。要するに、キーワードからクリニックを見つけ、足を運んでくれる患者さんを増やす入口となります。
コンテンツマーケティングのメリット
メリットその1. 広告費がかからない
まずは、広告費がかからないというメリットがあります。コンテンツを作成するための時間は必要ですが、広告費をかけずに患者さんにホームページに訪問して貰うことが可能です。そのページに興味を持って貰い、病院の雰囲気が伝われば来院に繋がります。キーワード検索で上位に表示されるようになれば、それだけで広告以上の成果を得ることができます。
メリットその2. 認識の相違が起きにくい
診療内容や得意なこと、それをホームページに予め書くことで、患者さんが来院した際、受け取る側と医師の相違が生じません。病状に対して、検査内容やどのような診察か、専門分野の情報提供もしているので、事前に理解して貰うことが可能です。それによって、相違が生じずクレームも少ないです。また、同じ診療科の中でも、自分が一番得意とする病気の患者さんが集まってきます。
メリットその3. 集患圏が広がる
グーグルにHPが評価されると、来院する患者さんの層が厚くなります。集患圏内が広がり、居住区に関係なく遠方からもクリニックを選んで、来てくれるようになります。
メリット4. マスコミに取り上げられる場合も
検索結果の上位に表示されることで、マスコミなどに取り上げられて、メディアからの評価も高くなります。テレビで取り上げられると、クリニックの認知度は高まります。
コンテンツマーケティングのデメリット
デメリットは、成果が出るまでに最低でも1年から1年半くらい時間が必要ということです。1つ良い記事をあげたからといって、それだけで評価されることはありません。忙しい開業医には大変かと思いますが、毎週1・2回、コツコツと定期的にあげることが大事です。
また、記事も一つ一つが適当な記事ではいけません。2000文字〜3000文字以上である必要があります。誰でもネットで簡単に調べればわかるような情報を羅列しても、あまり意味がありません。調べたくなるような、最新の話題集めが必要です。常にアンテナを張って記事になる話題を探しましょう。1度記事のアクセス数が伸びると、そこからは力を持ったHPになるので、初めは忙しい中でも時間を作ってコツコツと取り組むことが必要です。
どのようにコンテンツマーケティングを始めたら良いか
まずは、参考となる良いページを探すことです。上位表示されるページにアクセスし、その文章を読んでみましょう。もちろん、コピーはダメですが書き方など勉強になります。グーグルはとても気まぐれなので、定期的にグーグルのアルゴリズムを調べながら、グーグルと遊ぶ感覚を持つことも大切です。
さらに、コンテンツマーケティングに関する本を何冊か読みましょう。関連本がいくつも出版されており、Amazon等で購入できます。私も「コンテンツマーケティングの教科書」や「沈黙のWebマーケティング」などの本を読んで勉強しました。そして、コピーコンテンツにならないように、様々なコンテンツをヒントに、わかりやすい言葉でたくさん書いていきましょう。
当院のコンテンツマーケティングの活用方法
コンテンツマーケティングを始めた当初は、業者さんに言われるがまま、適当に記事を書いていたように思います。しかし、クリニックの名前を調べても上位に出てこないことにショックを受け、指導を受けながら地道に記事を書き続けました。産業医に行った話、勉強会に参加したこと、など些細なことも含めて1・2週間に1度のペースで記事をあげました。
最初は、2000文字にも満たなかったのですが、コロナやBCGワクチン、PCR検査、など患者さんが知りたい情報をアップしました。そして、それが評価され、一日1,000アクセスだったものが、1万5000アクセスされるまでに、閲覧数が増えていきました。そのようにして、Googleに認められ、検索順位が上がり、上位に表示されるようになりました。
その後、コロナの記事だけではなく、検査内容についての記事もトップ表示されるようになり、集患に繋がったのです。さらに、今までは泌尿器のページを見て、大宮まで足を運べなかった人も、分院である上野に誘導できるような仕組みで、遠方の患者さんが来院するようになりました。アクセス数の多いHPからリンクを貼ることで、分院にもパワーを渡すことができます。
このようにして、コンテンツマーケティングによって、新しい患者さんにお越し頂いています。また、広告費を抑えて医院がパンクしないよう調節もしています。このように、コンテンツマーケティングは広告費の削減、集患、そして、医師としての想いを発信する場にもなります。今回お話ししたコンテンツマーケティングについて、ご質問がございましたら、お問い合わせフォームよりご連絡ください。お役に立てましたら幸いです。