今回はブランディングについてお話します。
クリニックや病院にはそれぞれ特徴や特色というものがあります。クリニック、病院のブランディングで有名な例をあげてみますと、「湘南美容外科」院長ご本人がCMに出ている。価格が明朗で安い。「高須クリニック」院長が様々なメディアに出演していることで認知度が高い。「日赤病院」研修システムがしっかりしている。最先端の医療が受けられる。
上記のように、それぞれのクリニック、病院への印象は大きく違っています。患者様もそういったブランディングされたイメージをもとに病院を選ぶことが多くなりました。現在、クリニック、病院のブランディングは集患する際に非常に重要な要素になっています。今回はそんなブランディングについてのお話をしようと思います。
ブランドとは
そもそも「ブランド」とは、牛の焼印が起源の言葉です。その牛の産地や血筋など烙印によって牛を区別していました。今では商標、烙印などと訳されますが、元々は他のものと差別化する銘柄やマークの意味がありました。
今ではブランドというと、高級ファッションに使われることが多くあります。シャネルやエルメス、ヴィトンやブルガリといった高級ブランドに対してはメーカーではなくブランドという言葉が使われています。今回はそんなブランドを形作る「ブランディング」について掘り下げていきたいと思います。
なぜ桜の木の下に人は集まるのか
なぜ桜の木の下に人が集まるのだと思いますか?
ブランディングは人間の五感である視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚で形成されます。桜に焦点を当てると、視覚では桜の花は綺麗で、咲いている姿を観られるのはごくわずかな期間だけです。聴覚に関しては、桜というワード出てくる歌を桜の開花時期に合わせてよく耳にします。嗅覚では、実は桜自体には香りはないのですが、桜をイメージした香りが多く世に出回っているためなんとなく桜はこんな香りというイメージが出来上がっています。また、味覚や触覚に関しては、桜餅や桜にちなんだ食べ物や、桜の花が散る頃に花びらに触れて楽しみます。
桜は人間の五感にうまく刺激を与えているため、人々は習慣的に春になると五感で桜を感じ、桜の木の下に集うのです。五感については次回詳しく書いていきます。
ブランディングの仕方
シーズマーケティング
シーズマーケティングというのは、「〇〇といえば〇〇」というものです。例えば、仕事を探すならインディード、お値段以上のニトリ、バイクを売るならバイク王、または温泉地といえば草津。このように「〇〇といえば〇〇」と独自のサービスや商品、ノウハウなどが自然にブランディングされ浸透しているものがシーズマーケティングです。
ニーズマーケティング
ニーズマーケティングというのは、「〇〇の時は〇〇である」というものです。例えば、痩せたい時はライザップ、水のトラブルはクラシアンなど。人々に必要とされるもの、ニーズを植え付けていくのがニーズマーケティングです。
何によって覚えられたいか
開業医として、または起業した時や若い時から、常に自分は何によって覚えられたいのかを意識することが大切です。何によって覚えられたいのか、自ら問いかけることで、自分自身を客観的に見ることができます。また、そういう人間になるように自ら仕向けていくと、自分の行動がその方向に動いていきます。常に、このことを意識していくと良い方向に向かうと私は教わりました。
ソフトバンクの例
ソフトバンクはどんなブランドですか?と聞かれた時に、携帯電話、ペッパーくん、ブロードバンド、孫正義会長、ペイペイ、など思い浮かべるはずです。そして、そのイメージからも、ソフトバンクは情報について革命を起こしている会社だと認識されているといえます。
ユニクロ(UNIQLO)の例
同じように、ユニクロはどんなブランドか?に対しては、安くて品質のよい衣料品、シーズンごとに流行のアイテムを低価格で販売しているなどと、認識されていると思います。
このようなことからも、ソフトバンクやユニクロはブランディングに成功しています。 クリニックでも同様です。何によって覚えられ認識されたいのか、常に意識しながら情報を発信すると良いではないでしょうか。
伊勢呂、メディカルサクシードは何によって覚えられたいか
私伊勢呂の場合は、承継開業を世の中に広めた人として覚えられたいと考えています。第三者による承継開業の実現は、私にとって誇りであり、この経験を誰かの為に役立たせたいと思って弊社を創立しました。
また、泌尿器科医師としては、泌尿器科のクリニックを増やし、雇用を増やした開業医として認識されたいと思っています。「何によって覚えられたいか」それを常に問いかけることで自分自身を先導し、客観視することで次の行動に移すことができます。
ブランディングとは誰が担当者か
ブランディングは社員、スタッフ全てが担当するものであるといえます。例えば社員が100人いたとして、そのうち一人がお客様に対してマイナスな行動をしてしまうと、例え他の99人が最高の対応だったとしても、その一人のマイナスなイメージで認識されてしまいます。スタッフ全員が会社やクリニックのブランドイメージを作っていると意識し行動しなければなりません。
それゆえ、ブランドとは経営者や開業医はもちろん、社員やスタッフが全員で作り上げていくものなのです。そしてさらには、お客様や患者様もそのブランドの一員であるといえます。お客様や患者様に対しても、自分たちのブランドを一緒に作り上げていく人だという認識を持ち、迎え入れることが大切なのです。